日別アーカイブ: 2015年5月10日

介護の受け手も担い手も7割は女性
女性の健康寿命を延ばそう

日本は長寿大国と言われますが、「平均寿命」と「健康寿命」の差は、どのくらいあるのでしょうか。

厚生労働省発表の「健康日本21(第二次)の推進に関する参考資料」(平成24年)によると、男性は平均して9年、女性は12年もあることがわかっています。

数字が表す意味合いについて、正木初美院長はこう話します。
健康寿命とは、健康上に問題がない状態で日常生活を送れる期間のことです。

平均寿命と健康寿命の差の年数は、何らかの健康上の支障を抱えながら、あるいは介護を必要としながら過ごす期間を意味します。

特に、厚生労働省発表の『国民生活基礎調査』(平成22年)によると、介護を受ける人の7割は女性であり、介護する人の7割もまた女性であることがわかっています。このことからも、まずは女性の健康寿命を延ばすことが重要であると考えています」

「平均寿命と健康寿命の差を1年でも短縮し、女性にいつまでも健康で生き生きとした生活を送ってもらおう」と、2012年に製薬会社のファイザー株式会社主催で「女性のミカタ」というプロジェクトがスタートしました。

日常的に診察をする内科医の団体である日本臨床内科医会も関連するシンポジウムを開催するなど応援を表明しており、当クリニックもこのプロジェクトに参加しています。

↑「女性のミカタ」プロジェクトのウェブサイトより。「悩みを相談できる病医院」として、当クリニックも掲載されています。

↑「女性のミカタ」プロジェクトのウェブサイトより。「悩みを相談できる病医院」として、当クリニックも掲載されています。クリックすると、「女性のミカタ」のウェブサイトへ移動します。

このプロジェクトの意義と調査結果を、4月18日土曜に開催された大阪府内科医会主催の「第10回定時総会記念講演会」で、正木院長が発表しました。

↑演壇で発表する正木初美院長。正木院長は、「大阪府内科医会」の理事でもあります。

↑演壇で発表する正木初美院長。正木院長は、「大阪府内科医会」の理事でもあります。

このプロジェクトについて、正木院長はこう話します。
「女性が気になる症状を医師に相談し、かかりやすい病気を早期に見つけて治療することで、将来の健康を守るプロジェクトです。

女性の方が平均寿命と健康寿命の差が大きくなるのは、女性ホルモンの一つ、『エストロジェン』が関係します。

女性は閉経後、エストロジェンが一気に減少するために骨粗しょう症になりやすく、過活動膀胱(かかつどうぼうこう)も潜在化しやすいことがわかっています。どちらも気付きにくいうえに、発症すると日常生活に不便が生じる病気です。

骨粗しょう症は、骨の強度が低下して骨折しやすくなる病気です。自覚症状があまりなく、骨折するまで気づかないことが多いです。

過活動膀胱は、尿をためる膀胱が過敏になって自分の意に反して収縮する病気です。『日本排尿機能学会誌』(平成15年)によると、50代以上の女性の8人に1人は悩んでいると言われています。ですが、頻尿や尿失禁などの症状はあるものの、医師に恥ずかしくて相談しづらいために、あまり知られていませんでした。

どちらもお薬を飲む、運動することで治療することができます。

今回の発表にあたり、来院された50歳以上の女性の皆さんにチェックシートをご回答いただきました。

骨粗しょう症と過活動膀胱についてのアンケートをした結果、『実は話したかった』、『自分では気づかない気付かない病気の可能性を指摘してもらえた』と、良い評価が多いのを感じました。

また、多くの患者さんが、『かかりつけ医に健康寿命に影響を与える両疾患以外にもさまざまな症状をみてほしい』、『相談にのってほしい』と思っていることを感じました。かかりつけ医の大切さをアンケートを通して再確認いたしました」

いつまでも生き生きとした生活を送るために、気になる症状は早めに医師に相談して、治療することが大切ということです。

↑当院で実施した「気づかれにくい 2大疾患チェックシート」です。

↑当院で実施した「気づかれにくい 2大疾患チェックシート」です。