足湯のススメと効能

朝晩、急に寒くなりましたが、これから数日は昼間も冷え込みも厳しいようです。正木初美院長はそんなときの冷え対策のひとつとして、次のように「足湯」を勧めます。

「例年に比べて寒さや冷気が早くやって来ているように思います。体が冷えるといいことは何もないので、いちはやく本気で冷え対策に取り組みたいものです。そこで、足湯をご紹介しましょう。

足湯は、『足浴』とも呼んで、医療や介護の現場では昔からある『部分浴』の一種です。

冷え対策のほか、病気やけがでお風呂に入れない場合を含め、次のようなメリットがあります。

・足を清潔にする。皮ふが不衛生になると水虫などの感染症になることもあるため、予防になります。

・血流を促し、体を温めます。足は心臓からもっとも遠いため、血流が滞りやすいのですが、足湯をすると全身への血流が促されて、数分で体全体がポカポカしてくるでしょう。

・リラックスできます。イライラするときや憂うつなときにも有用です。足湯をしながら足をさする、軽くマッサージをすると、足の疲れがほぐれて気分が落ち着いてくるでしょう。

・体への負担が少ないので、風邪のとき、疲労困ぱいのときなどに便利。

・足のむくみの改善になります。

・足の観察ができます。水虫やウオノメ、タコ、マメはないか、ツメに異常はないか、靴擦れやすり傷などケガをしていないか、においは大丈夫か、皮ふは乾燥していないかなど、日ごろしげしげと見ない部位だからこそ、ついでにチェックをしておきましょう。

足湯はこれらの理由により、糖尿病、高血圧、睡眠障害、うつ病などの患者さんに勧められることがあります。また、自分だけではなく、高齢者や介護が必要な人にしてさし上げるのにも有用な方法です。

健康な人が冷え対策に実践する場合、両足が入るバケツに42度程度のやや熱いなと感じるお湯を注ぎ、差し湯をしながら6分~10分ほどつけましょう。入浴代わりの場合は、ボディソープなどを泡立てて、ふくらはぎから足を洗ってから足湯をしてください。

汗がにじんでくると体温が下がるので、体があったまって汗をかく前に終了し、お湯から足を上げたらすぐにタオルで水分を拭き取りましょう。濡れたままにしておくと、水分の蒸発とともに体温が奪われ、せっかく温まった足が冷えることになります。

また、冷えがきつい場合は、入浴の前に足湯を5分ほどしておくと、寒さを感じることなくお風呂に入ることができるでしょう。急激な温度差による血圧の変動が危険なヒートショック(改めて、詳しくお話しします)の予防になるとも考えられます。

『手湯』も足湯と同じメリットがあります。手湯をすると胸のあたりがぽかぽかと感じますす。手湯は仕事中や家事の合間にもさっと洗面所でできるメリットがあります」

足湯、手湯の冷え対策と健康法、この冬は習慣にしたいものです。

11月14日は「世界糖尿病」デー

毎年11月14日は「世界糖尿病デー」です。2006年に国際連合が、「糖尿病は、全世界的にその脅威を認知すべきである」という決議を採択したことから設けられた「糖尿病予防を啓蒙する日」です。

この日は、世界各地で糖尿病に関するイベントやシンポジウムが開催されたり、シンボルマークのブルーのサークルにちなんで、各地の有名な建造物がブルーにライトアップされます。

東京駅丸の内駅舎や札幌市時計台、名古屋城、太宰府天満宮なとのほか、関西では、大阪城や天保山大観覧車、神戸ポートタワーや明石海峡大橋、がライトアップされます。

糖尿病について、正木初美院長はこう話します。

糖尿病とは、インスリンが十分に働かないために、血液中に含まれるブドウ糖(血糖)が増えて、全身の多くの臓器や組織に異変をもたらす病気です。

血糖値が高い状態が続くと、血液がドロドロになってうまく流れにくくなり、血管に負担をかけて内側の壁を硬くします。これが動脈硬化です。すると、血管に血のかたまりの血栓(けっせん)ができやすくなり、やがては脳卒中や狭心症、心筋梗塞(こうそく)などの心臓病を引き起こします。

また、毛細血管は細いためにダメージを受けやすく、毛細血管が集まる網膜(目)や腎臓、手足の神経を中心に糖尿病による合併症を起こしやすくなります。

糖尿病は、自覚症状がなく気づかずに進行する場合が多いため、半年以上検査を受けていなくてメタボリック・シンドロームや高血圧、脂質異常の人、あるいはそれらが心配な人は、世界糖尿病デーをひとつのきっかけに、検査を受けてみられてはいかがでしょうか

「世界糖尿病デー」公式サイト内に、日本各地のライトアップの詳細や開催されるイベントが掲載されています。

「2017 World Diabetes Day(世界糖尿病デー) 全国各地(国内)の関連イベント」

http://www.wddj.jp/event/

健康寿命と「フレイル」のお話 1

近ごろ、メディアなどから「フレイル」という言葉を耳にされることがあるのではないでしょうか。患者さまから時おり、「フレイルって何?」とのご質問もあります。そこで正木初美院長から、「フレイル」とはどういったことなのかについて説明してもらいましょう。

「フレイルとは、『Frailty(フレイルティ)』の日本語訳で、『虚弱』や『脆弱』といった意味合いの言葉です。日本の人口の高齢化にともなって介護を予防する方策が叫ばれる中、日本老年医学会が2014年5月に、健康寿命を延ばすことを目的とした『フレイル』の考え方を提唱しました。

それは、『高齢者の健常な状態と要介護の状態の中間の期間』で、『身体機能や認知機能が虚弱になりつつある状態』を意味します。

年齢とともに、『このごろトシのせいで足腰が弱くて階段を昇るのが大変』、『体重が落ちてきた』、『歩くスピードが遅くなった』、『認知の機能が衰えてきた』などということが起こってきます。このような症状はこれまで、『加齢』が原因だからと考えられてきました。

ですが近年、認知症やサルコペニア、骨粗しょう症、うつ病などの研究が進み、『加齢現象』としてあきらめることが多かったさまざまな症状について、そのとらえ方が変わりつつあります。

『フレイル』で重要なのは、加齢で心身が衰えてきても、要介護になる前に積極的に予防や治療をすることで健常な状態に戻ることができるという考え方です。

日本ではいま、『フレイル』にいち早く気づき、予防するために適切な治療などの活動を行おうという社会的な動きが始まっています。正木クリニックでも今後、フレイルについて皆さまとともに考え、取り組んで行きたいと思います

フレイルの要因、診断基準、予防法、進行中の研究などについて、改めてこのブログでお伝えしてまいります。

女性の水虫、コレが原因! 臨床内科専門医が教える自分対策とは

「女性の水虫の患者さまが増えていますね」と正木初美院長と話していたところ、ちょうど記者の方から院長宛に、取材のご依頼がありました。

女性が水虫になる原因には、ブーツや合成皮革の靴、吸水性がないストッキングの長時間着用、ハイヒールやミュールのように先が細い靴で足の指が密着して汗で蒸れることなど、ファッションに関係することが多々あるようです。

それらについての解説と、放置するとどうなるか、また水虫のセルフケア法について整理された記事が『マイカラット』という女性向きの健康生活情報サイトに配信になりました。

思い当たる方、どきっとされた方、ぜひご一読ください!

女性の水虫、コレが原因!
臨床内科専門医が教える自分対策とは
https://mycarat.jp/articles/390

「日本臨床内科医学会」が大阪で開催されました

10月8日、9日の両日にわたり、日本臨床内科医学会の第31回学会「新たなる臨床内科学の夜明け ~看取りからiPSまで」が、大阪のホテルニューオータニで大々的に開催されました。

↑「日本臨床内科医学会」の会場のスクリーンに大写しになっていたテーマ

正木初美院長は、日本臨床内科医学会認定の専門医でもあります。またこの学会は、正木院長が理事を務める「大阪府内科医会」の主催で開催されました。その様子を正木院長に聞いてみました。

↑学会の講演で座長をつとめる正木初美院長

朝から終日、多くの医師による多彩な講演、講義が行われました。なかでも、ノーベル賞の山中伸弥先生(京都大学iPS研究所)と、世界初iPS細胞の臨床研究をされた高橋政代先生の各ご講演、そのおふたりと大阪府内科医会会長の福田正博先生、副会長の泉岡利於先生の4名による『iPS細胞の現状とその未来』と題した鼎談(ていだん)は、1,700人近くの医師を集めて大盛況でした。

私は、次の2つの講演の座長をつとめました。

・『検査学スキルアップセミナー2 頸動脈エコーを日常診療に活かす』
講演:松尾汎先生(松尾クリニック院長・大阪府八尾市)

・『臨床内科医が知っておきたい女性のホルモン療法』
講演:若槻明彦先生(愛知医科大学教授)

先生方のご専門分野における大変興味深いご学識を発表していただきました。そして、いずれのご講演も、多数のドクターにご参加いただきました。ありがとうございました。

多くの先生方の知見を得る、貴重な機会となりました。重ねてお礼申し上げます

今回は、同学会の歴史上、最大人数の参加者となったということです。ご盛会の状況が目に浮かびます。

10月は「がん検診受診キャンペーン」月間です

毎年10月は、官民一体となった「がん検診受診率50%達成に向けた集中キャンペーン月間」と定められています。

そこで、がん検診について、正木初美院長に聞いてみました。

日本では、国民の2人に1人が『がん』になり、3人に1人が『がん』で亡くなられています。死因の第1位は『がん』です。

ですが、診断と治療が進歩し、一部のがんでは早期発見、早期治療が可能になってきました。検診で早い段階でがんを発見し、そのがんを治療することによって、がんによる死亡のリスクを軽減することができます。

厚生労働省の指針で定められている健診の内容は次の通りです

(1)胃
検診の方法:問診、胃部エックス線または胃内視鏡検査のいずれか
対象者:50歳以上(当分の間、胃部エックス線検査に関しては40歳以上に実施も可)
受診間隔:2年に1回(当分の間、胃部エックス線検査に関しては年1回の実施も可)

(2)子宮頸部(けいぶ)

検診の方法:問診、視診、子宮頸部の細胞診および内診
対象者:20歳以上
受診間隔:2年に1回

(3)乳房

検診の方法:問診、乳房エックス線検査(マンモグラフィ)
対象者:40歳以上
受診間隔:2年に1回

(4)肺

検診の方法:問診、胸部エックス線検査
対象者:40歳以上
受診間隔:年1回

(5)大腸

検診の方法:問診、便潜血検査
対象者:40歳以上
受診間隔:年1回

ほとんどの市町村では、がん検診の費用の多くを公費で負担しているので、一部の自己負担でがん検診を受けることができます。この機会にぜひ受診なさってください。

「がん」の種類、検診、診断、治療法などを提供する、国立がん研究センター運営のウェブサイト「がん情報サービス」も参考になさってください!

http://ganjoho.jp/public/index.html

夜中に目が覚めるのは、トイレに行きたいから?

近ごろ、「涼しくなったのでよく寝れると思ってたけど、トイレにしょっちゅう目が覚めて困る。冷えてきたからかなあ」とのご相談が増えています。そこで、トイレと睡眠の関係について、正木初美院長に聞いてみました。


「『トイレに行きたいから目が覚める』と思っておられることは多いのですが、実は、『目覚めるからトイレに行く』といったケースが多く見受けられます。

というのも、いつも夜中にトイレに目が覚める人でも、『よく眠れた日は、朝までトイレに行かなかった』という場合があるからです。トイレと夜中の目覚めの因果関係はそのときどきの体調、環境によって一概には言えません。しかし、何らかの理由で睡眠の質が良くないからトイレに行っていることは多いと思われます。

質の高い睡眠が続くときは、朝に向かって徐々に覚醒していきます。ですが、体調不良やストレスが強いと、睡眠のリズムを作る自律神経のバランスが乱れ、寝付きが悪くなる、夜中に目が覚める、早朝に目が覚めて眠れないといった状態が続きます。

よく、『寝ている最中にトイレに行きたくならないように、夜は水分をとらないようにする』という方がいらっしゃいますが、水分のとり過ぎで目覚めてているわけではないので、実はあまり意味がありません。熱中症や脱水状態にもなりかねないため、むしろ危険であると言えます。

睡眠の悩みはいろいろですが、この季節、足元に冷えを感じる方も多いでしょう。その場合は、寝る30分~1時間ぐらい前に足湯をすると不眠にも冷えにも対策になるので試してみてください」

トイレが先か、目覚めが先か。あるいは、冷えが原因か。睡眠の悩みはつきませんが、トイレに行きたいことが夜中の目覚めの原因だとは思い込みかもしれないということです。

水分不足だけではない!  便秘の種類とは

正木初美院長にはよく、便秘改善法に関する取材のお申し込みがあります。

そこで、このブログでも、便秘の情報を定期的にお伝えしようと思います。

正木院長は便秘について、こう説明します。

まず知っておきたいのは、『便秘にもさまざまな種類があること』と、『自分はどのタイプなのか』についてです。


医学的には、次の4つに分類されます

(1)一過性便秘
環境の変化、緊張やストレスなどの精神面、食生活の乱れなどの影響で、一時的に便秘になります。

(2)弛緩(しかん)性便秘
運動不足などで筋力が衰えると、便がスムーズに送り出されずに便秘になります。

(3)けいれん性便秘
精神的、肉体的なストレスがもとで自律神経に影響を及ぼし、腸の一部がけいれんを起こしたような状態になって便がスムーズに送り出されずに、便秘になります。

(4)直腸性便秘
排便を我慢し続けると、便が直腸まで運ばれても便意を感じにくくなり、便秘になります。

さらに正木院長は、こう続けます。

どうでしょうか。自分のタイプはどれなのか分かるでしょうか。ただし、体調によって、タイプが変わることや、これらの特徴を複合的に持っている場合があります。また、何らかの病気が隠れていることもあります。


どうも自分はどれなのか分からない、また症状が日常に差し支える、不快感が強い、市販の薬が効かなくなってきたなどの場合は、早めにかかりつけ医などを受診してください

ぜひ自分の状態を認識して、適切なケア法を見つけましょう。

10月4日は中秋の名月
お供えの一つ、里芋の健康パワーとは?

2017年の中秋の名月・十五夜は、10月4日水曜です。「私は中秋の名月と聞けば、栄養価が高くて低カロリーの里芋を連想します」と正木初美院長。

このブログでは3年前にもお伝えしていますが、正木院長のお話しやスタッフのリクエストから、今年も里芋の話題をお届けします。

中秋の名月は農業の行事と結びついて、『芋名月(いもめいげつ)』と呼んで里芋をお供えすることがあるそうです。里芋の健康パワーについて、正木院長はこう説明をします。

イモ類の中では水分を多く含むのでカロリーが低く、むくみの改善に働きかける『カリウム』や便秘対策に役立つ『食物繊維』を豊富に含む食材です。

また、里芋の特徴の一つに、ネバネバとしたぬめりがあります。このぬめりには、免疫力を高める、血圧やコレステロールを下げるとされる『ガラクタン』という成分や、タンパク質の消化吸収を高めて胃腸の働きを良くする、また肝臓の働きを高めるなどの『ムチン』という成分が含まれています。

私は、里芋の煮ころがしや根菜と一緒に汁物にしていただくことも多いですが、里芋と鶏肉でグラタンを作ったり、みそを加えて里芋クリームシチューなどのアレンジメニューを作ったりして、楽しみます

お天気に恵まれることを祈り、中秋の名月を秋の味とともに楽しみたいものです。

スポーツの秋到来
筋肉の緊張を和らげるアロマ

これまでに当ブログでは、「食欲をアップさせるアロマ」や「ブルーな気分を和らげるアロマ」などをお伝えしました。

今回は、スポーツの秋にちなんで筋肉痛などの「筋肉の緊張を和らげるアロマ」について、看護師で当クリニックに併設マッサージルームのメディカルアロマセラピストでもある土屋理恵から、次の3つの精油(エッセンシャルオイル)をご紹介します。

(1)ペパーミント
清涼感のあるすっとした香りで、クールダウンや鎮痛作用があり、筋肉痛の痛みを緩和するよう働きます。また、胃もたれや頭痛、月経痛、歯痛などを緩和したいときにも有用です。

(2)スイートマジョラム
シソ科の草木で、甘い香りがするハーブです。血管を広げて血液の流れを促進させる作用があるので、筋肉痛の緩和、こりやむくみの改善に役立ちます。

(3)ローズマリー
頭がシャキッとする清涼感のある香りが特徴です。血液の流れを促進する働きがあるので、血行不良による筋肉のコリやむくみにも良いです。

私は、(2)マジョラムスイートに少し柑橘系のアロマを加えた香りが好きです。

クリニックと自宅の間をウォーキングして季節の移ろいを楽しんでいますが、足の疲れが気になってクールダウンしたいときは、天然塩20グラム(大さじ1〜2杯)に精油を3〜5滴加えてよく混ぜて、オリジナルバスソルトを作ります。これを湯船に入れて溶かし、香りとアロマのパワーで満喫しています。

塩は、発汗作用があるので、たくさん汗もかき、体もポカポカと温まります」と、正木院長。

ご参考になさってください。